黄色い看板にゴリラのイラストが印象的な「ゴーゴーカレー」は、現在国内に直営店29店舗、FC41店舗の計70店舗を展開している。また、そのフィールドは日本国内にとどまらず、アメリカとブラジルに計12店舗出店している。

こちらを運営しているのは、株式会社ゴーゴーカレーグループ(本社/東京都千代田区、代表取締役/宮森宏和氏)である。社名に「ゴーゴーカレー」と入っているものの、現在ではM&Aなどで複数のカレーブランドをグループ傘下にもつ。同社代表取締役宮森宏和氏にM&Aを始め、「世界一のカレー専門商社」を目指すこととなったきっかけや今後の展望について伺った。

 

「NYへ行くこと」を目標に始めた「ゴーゴーカレー」

――カレー業態での飲食店運営を始めることとなったきっかけはどのようなことでしょうか。

2003年に私と同じ石川県出身の野球選手である松井秀樹さんのニューヨークで活躍している姿を見て、自分も「ニューヨークに行きたい」という夢を持ちました。それが一番のきっかけです。そこで、「どうすればニューヨークに行くことができるか」と、考えた結果その一番の近道がカレー屋さんだと感じました。「社長になりたい」「外食業界がやりたい」と、始めた訳ではないのです。

大きなカツとキャベツが印象的な金沢カレー

 

――石川・金沢カレー業態の1店舗目はどのように出店を行ったのですか。

まずは、地元石川県の老舗カレー店「ターバンカレー」でカレーづくりのノウハウを学びました。そして、その志をもってから約1年後の2004年5月に東京・新宿に「ゴーゴーカレー」の1店舗目をオープンしました。

もちろん創業当時は仕込みをして、営業して、ポスティングをして、と寝る間も無いほど忙しい日々を過ごしていました。ただそれを苦労だとは感じていませんでした。「日本で〇店舗出店したい、売上を〇円を目指す」などという予定は立てていなくて、「ニューヨークに行くこと」という夢にむけて出店していきました。

 

――アメリカ・ニューヨークへの出店はいかがでしたか。

当時は日本で10店舗以上出店していましたが、アメリカでの出店はやはり大変な点も多くありました。もちろん、言語も違えば、文化も違う。しかし、それ以上に「外国から来たアメリカで実績の無い飲食企業」という立場で契約を行うことが難しかった。そこをクリアしても、また時間通りに進まないことも多々ありました。しかしながら、そこは「やり抜く覚悟」をもって、オープン日はずらさず、予定通りのオープンを果たしました。

 

ニューヨーク進出を果たし、カレー店の事業継承を学ぶ

――当初の目標であった「NY進出」を達成し、次なる目標はどのように設定したのですか?

当時はそれが曖昧だったと感じています。その方向性を明確には定めていなかったものの、2007年のニューヨークへの1店舗目の出店後も、国内外ともに店舗展開を重ねていました。

そして、その後の方向性や戦略を定めるために経営学を学んでいたのですが、ある時日本電産の永森重信会長とお話する機会がありました。そして、「世界一を目指しなさい。そのための1つの手段としてカレー店の事業継承もありうる」というアドバイスをしていただきました。

それを聞いて、「カレー店の事業継承を行い、世界一になろう」と新たな目標、方向性を見つけることができました。

 

――M&Aは実際にどのように行っているのですか。

これまで、計3社のM&Aを行いました。その1つ目は、石川県で長い歴史を持つインドカレー店「ホットハウス」でした。オーナーに「おいしいカレーを継承していきたい」という思いを伝えたところ、事業継承させていただけることになりました。そして、2017年に当社初めてのM&Aを行ったのです。

そして、2019年には、「井戸を掘った人の恩を忘れることなく井戸を大切に使い、恩返しを実践していきます!」というスローガンを掲げ、最初にカレーづくりを教わった「ターバンカレー」も当社グループに統合させていただきました。「ターバンカレー」は「井戸を掘った人」であり、統合という形で、そのカレーを引き継ぎ、伝えていくことで「恩返し」を実践していこうと考えました。

 

――今後は、どのようにカレー店の事業継承を行っていくのですか。

続けていきます。事業継承する基準は、「おいしいカレーか否か」という単純なものにしています。自分で実際に足を運び、カレーを食べ、おいしいカレーかどうかを判断するのです。そして、おいしいカレーだと感じたものをこれからも継承していくつもりです。今後は「世界一のカレー専門商社」を目指して、より多くのカレー店を継承し、ブランドを統合して、展開していくつもりです。

株式会社ゴーゴーカレーグループの代表取締役 宮森宏和氏

 

「世界一のカレー専門商社」を目指し、事業を拡げる

――「世界一のカレー専門商社」に向けて、どのように展開していく予定ですか。

例えば、「ゴーゴーカレー」や事業継承した「ホットハウス」や「ターバンカレー」などのカレーを用いたプロデュース店舗の展開を行っていくことです。それが、お店全体でも良いですし、メニューの1品として扱うというものでも良いと考えています。

そのようにカレー店をパッケージ化して、プロデュースしていきたい。おいしいカレーを引き継ぐだけでなく、それらをより広く伝えていくことで「世界一のカレー専門商社」にも近づくはずです。

また、「世界一のカレー専門商社」を目指し、店舗展開とは異なる形でカレーと関わる事業も行ってまいります。

 

――その他にはどのような事業を行っていくのですか。

さまざまな可能性があると考えています。小売店でのレトルトカレー卸しや業務用のカレーの卸しなども行ってまいります。現在も、カラオケ店や社食、学食、スキー場などにカレーを卸しています。例えば「ゴーゴーカレー」のカレーにはブランド力や信頼があるということで、注文が多く、数年連続で売上も好調となっているそうです。

また、商品開発なども行っており、ハラール対応、ヴィーガン対応、グルテンフリー対応などのカレーもあります。そして、小売店へのレトルトカレーの卸しに関しては、大手ネットショッピングや総合スーパーマーケットなどでも販売しています。

 

業態はカレーに特化し、一方で地域も日本に限らず、また、卸しや店舗プロデュースなども含めさまざまな可能性があります。そのように今後は、カレーの専門商社として世界一になりたい。

ゴーゴーカレーのレトルトカレーなどの販売も行う

店舗情報

店舗名 ゴーゴーカレー
エリア 新宿

運営企業情報

企業名 株式会社ゴーゴーカレーグループ
URL http://www.gogocurry.com/index.html

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