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  3. 無化調を徹底してお客様本位の営業で地元に密着する
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飲食事業がアーリーステージにある時に「ドミナント出店」はいわば常識である。シフトや食材などをやりくりする上で便利であることは当然のことだが、同じ「カルチャー」の店が近接することによって、地元の人にとっては印象深く馴染みやすいものとなるのではないか。このようなことを、特に東京・三軒茶屋、下北沢でドミナント出店をしているところに感じている。

ここで紹介する株式会社レインボーカンパニー(本社/東京都世田谷区、代表取締役/松野倫、以下レインボー)はその一例だ。

同社の設立は2010年3月、ワインバルの業務委託より始まり、同年5月、高円寺に「RAINBOW CAFÉ&GRILL」(26坪34席)をオープンした。、以来8店舗の規模となり、そのうち6店舗を下北沢と三軒茶屋のエリアに展開している。
代表取締役の松野倫氏によると、「ここは自分にとって地元で、土地勘があってとても馴染んでいるから」と語るが、レインボーの店には手作り感が感じられる。

店頭の看板にはお得感のあるメニューやプランを満載している

松野氏は1973年1月生まれ、東京都出身。高校卒業後、バンドマンをしながらフリーターとして飲食業に従事したことが、飲食業を営む下地となった。
2004年、30歳でグローバルダイニングに入社。「世田谷ゼスト」に配属されて、店長からユニットリーダーを担当した。同社に入社したのは将来独立することに備えたことであり、入社に際して「何があっても5年間は在籍しよう」と心に決めていたという。

株式会社レインボーカンパニー代表取締役の松野倫氏

「無化調」に目覚めて自身の商売の主義とする

レインボーの店で共通しているのは「ADDITVE-FREE」であること。店で提供しているフードの素材を天然由来のものにして化学合成された添加物を一切使用していないことだ(以下、無化調と表記)。

松野氏が無化調を意識するようになったのは、前職での経験から。試食会に際して無化調を尊重して料理を出品しても、耳かき一杯程度の化学調味料を加えた方の味が評価されることに疑問を抱くようになった。それまで、化学調味料の存在意義については全く無関心でいた。「食べ物の味は、これほど簡単に変わってしまうものなんだ」「料理なんてちょろい」と感じたが、同時に「これはおかしい」と思うようになった。

これより化学調味料に興味を抱くようになり、勉強を重ねることに連れて、これらを使用することから意識が離れていった。

松野氏は「化学調味料を否定する立場ではないが」と前置きして、自身がフードサービスを手掛ける上で無化調のメニューを提供することを主義とするようになった。メニューを無化調にすると原価は化学調味料を使用した場合よりも高くなる。同社が展開する店の夜の客単価は、大体が3200~3800円となっているが、これらの範囲内で無化調の主張を貫いている。

[ADDITIVE-FREE」であることを店内の随所に掲示している

前職で学んだことが独立後大いに生かされる

松野氏にとってグローバルダイニング在籍中はさまざまなことを学び、とても充実した日々であったようだ。店舗展開について、人材獲得・育成について、メニュー開発についてなど、そこで学んだことが現在の経営に生かされていることを次々と述べていく。

まず、メニュー構成は当初グローバルダイニングの「ゼスト」に倣ったテックスメックスを中心にしていたが、日進月歩してイタリアンにスパニッシュを織り交ぜた今日的でカジュアルな洋食になってきている。

次に、パーティプランで「飲み放題付き90分3500円」というコースが目を引く。
「なぜ、90分なのだろうか?」と素朴な質問をすると、松野氏はこのように答えてくれた。

「これは前職で、『勝ちパターン』として定着していた売り方です。2000年代の半ばごろ、一般的な居酒屋での宴会コースは『飲み放題付き2時間3980円』でしたが、前職でのパーティプランは『飲み放題付き2時間5000円』でした。そのような状況の中で、『3500円でいいんじゃないか、元々客単価は3800円なんだから』という発想に立ち、『トッピング方式』にしました。つまり、『足していく』ということです。ラーメンに例えれば、普通のラーメンに、もやし、煮卵、チャーシュー4枚とかトッピングをしていくということと同様のことです」

つまり、「飲み放題付き90分3500円」で十分というお客様もいるはずだが、そこに店側が、「お1人500円で飲み放題30分延長が可能です(4000円)」、「最後にデザートのプレートをお1人500円でお付けしましょうか(4500円)」という具合に、アイテムやバリエーションが増えていくにつれパーティプランが充実していき単価も高くなるということだ。

「これによって従業員の会話力が嫌えられ、お客様にとってもカスタマイズされるという楽しさがあります。元々低い単価のところにバリエーションが充実していくことを喜んでくださいます」(松野氏)

「トッピング方式」と名付けられたパーティプラン。お客様がカスタマイズするので満足度が高い

「飲み放題付き2時間5000円」の当時は、店側がいろいろなものを詰め込んで、「こんなにいろいろなものが入っていて5000円なんですよ」という、いわばお仕着せのものだった。「トッピング方式」では、自分で選んでパーティプランを作っていくわけだから、価格が高くても満足感がある。

このようにお客様から「トッピング方式」が歓迎されるようになったことを「お客様が自分で購入する商品をつくっていくという感覚になった」と松野氏は振り返る。

スープカレー店がヒットしてFCザーの道を検討

さて、レインボーでは2018年4月にスープカレーの店を始めた。「BISTRO R」という13坪の店を業態転換したものだ。店名は「無添加薬膳スープカレーCOSMOS」という。

昨年4月に業態転換でオープンしたスープカレーの店がヒットしていて、FC展開を想定している

このスープカレーの店のヒントは高円寺のスープカレーの人気店である。レインボーが高円寺店を開店したばかりの頃、松野氏自身が同店のスープカレーに引かれて週に2度3度と通っていたという。

松野氏は高円寺の店に常駐しなくなってからも同店を度々訪れていて、5年前にFCをやらせてほしい旨申し入れをした。しかしながら、この時先方からは断られた。

その後も許しをいただくために何度も訪問したところ了承を得ることができて、スープカレー店の開業にこぎつけた。現状はFCではなく、高円寺の店舗は「監修」という形で参画し、同店のレシピに則って、それを無化調にしてスープカレーをつくっている。

同店で最も安価なメニューは「野菜のスープカレー」(880円)であるが、スタンダードなメニューは「20種類の野菜のスープカレー」(1180円)で、チキンレッグ、豚角煮、ラムしゃぶなどをトッピングしてカスタマイズするというものだ。1食で20種類の野菜が食べられるということに大きなお得感があり、ボリュームもあるために満腹感も十分にある。

20種類の野菜が一度に食べられ、ボリュームもたっぷりあることからリピーターが多い

オープン当初は月商260万~270万円で目立った動きはなかったが、3カ月後の2018年7月にウーバーイーツを採用したところ、この月にウーバーイーツの売上が45%を占めた。売上が2倍近く増えたということだ。現状、客単価1500円でウーバーイーツの売上が3~4割を占めている。

レインボーの今後としては、直営店舗を一層強化していくと同時に、スープカレー店のFCザーとなることを想定している。
松野氏はフリーターをしていた当時にラーメン店で働いた経験があるとのことだが、その経験をスープカレー店の営業に重ね合わせて、このように感慨を述べる。

「ラーメンもスープカレーも、スープを炊くことが店の命です。お客様にはトッピングのバラエティで常に新鮮な満足感を提供します。お客様が自分でカスタマイズするということは、レインボーのカルチャーではないかと考えています」

それは、無化調というお客様本位の姿勢が基本にあることからこそ、地元の人々にとって「レインボーらしさ」として浸透しているであろう。

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店舗情報

店舗名 無添加薬膳スープカレーCOSMOS
エリア 下北沢

運営企業情報

URL http://www.rainbowcompany.co.jp

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