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今日のフードサービス業の市場環境を捉えると、ファストフードやファミリーレストランが著しく速く成長を遂げた40年前を比べると、成長するためハードルは高いと言える。それは、飲食店舗が飽和状態にあることに加えて、人材が集まりにくいという現実がある。大企業の場合はそれをM&Aで解決しているが、アーリーステージにある会社にとっては至難の業だ。

ここで紹介する株式会社INGS(本社/東京都新宿区、代表取締役/青柳誠希)の場合は、このテーマを着実に解決してきているように感じられる。
創業の店はラーメン店で2006年11月、3年後の2009年3月に会社設立。以来、10年目にして、カジュアルイタリアン「CONA」の直営店14店に加えライセンス店46店と計60店、ラーメン店が全て直営で計6店、プロデュース店を7店、FC2店を展開している。これらの業容を俯瞰すると、「CONA」とラーメン店が主軸となり、FC店がこれらの仕組みを支えている、ということが言えるだろう。

大学4年生の時にラーメン店経営で独立する

同社代表取締役の青柳誠希氏は1984年4月生まれ、東京・新宿出身。父は新宿を中心にバーをはじめ飲食業を手広く経営していた。

青柳氏は2006年、大学2年生までラグビーを熱心に行っていて、その後アルバイトをしようとした時に父から「うちでやらないか」と誘われ、父が経営するバーで働くようになった。ここで働くうちに「飲食ならやっていけるのではないか」と思うようになり、就活も外食企業を訪問し複数の企業から内定を得ていた。

株式会社INGS代表取締役の青柳誠希氏

大学4年生の11月、父の経営してたバーの隣りのラーメン店が閉めることになった。父にそこの経営を引き継ぐことを相談され、青柳氏は父からその店をやってみないかと打診された。「これは大きなチャンスだ」と感じた青柳氏は、企業に就職する道を取りやめて、このラーメン店で起業する決断をした。そして、ラーメン店をもう1店構え、2店で経営基盤をつくった。

「飲食業を事業として展開したい」と考えていた青柳氏は、友人が「CONA」で独立をするという話を聞き、その渋谷の店の運営を手伝うことになった。「CONA」は“500円のピザ”を看板商品とするカジュアルなイタリアンで客単価2500円、若者からの人気が高い。
同店の仕組みが素晴らしいと感じていた青柳氏は、当時のオーナーに「CONA」を経営したいと申し出て、初めて加盟店としての事業を開始した。

「CONA」の本部となり、外食企業としての体制を整える

INGSにとって「CONA」1号店の売上が大きく跳ねたことから、この収益性の高さに感銘を受けて、それ以降「CONA」の展開に傾注するようになった。
「CONA」の本部はその後別の会社に譲渡されたが、2018年10月にINGSが譲受して「CONA」の本部となった。そこで現在の直営店14店、ライセンス店46店舗の事業規模を擁することになった。

「CONA」の最大の特徴は「500円ピザ」。客単価2500円で若者に人気の店だ

「CONA」のライセンス店舗は、店舗づくりからメニュー構成など自由度が高いことが特徴だが、INGSとしてはチェーンとしてのブランディングを図っていきたいと考えていて、現状は新しい本部による新しい仕組みづくりを進めているところである。来年からは直営店舗の出店スピードを上げて、ライセンス店舗の新規募集も始めたいと考えている。

「CONA」の店舗規模は現状10坪から40坪強とさまざまだが、最も得意とするサイズは25坪。二次会、三次会での利用も多く見られ、深夜帯も賑わっている。メニュー構成上、フルタイムでの営業が可能となっている。

創業の業種であるラーメン店は、2店目を店長に譲渡し、現在は「らぁ麺 はやし田」2店、「らぁ麺 鳳仙花」「らぁ麺 時は麺なり」「煮干し中華そば 鈴蘭」「鶏そば煮干しそば 花山」各1店舗となっている。スープは鳳仙花の場合、金目鯛のアラという希少なものだが、他は大山どりの丸鶏スープ(「はやし田」など)、煮干し(「鈴蘭」など)になっている。全て直営であるが店名を変えているのは、「ラーメン店は個店の強みが活かされる業種ですから、店舗展開をする上で味を変えていて、同時に店名を変えている」(青柳氏)ということからだ。

FC店の2つとは、NATTY SWANKYの「肉汁餃子製作所 ダンダダン酒場」(以下「ダンダダン酒場」)とパッションアンドクリエイトの「牛8」のことである。「ダンダダン酒場」は神奈川・川崎、「牛8」は歌舞伎町に出店しているが、それぞれのエリアで既に「CONA」を経営していて、それぞれの近くに物件が出たことから他社の加盟店となって出店した。INGSが「ダンダダン酒場」の加盟店となった当時、NATTY SWANKYでは上場に向けて体制を整えていて、青柳氏はその様子に触れることが大きな勉強になったという。同業態の簡素な仕組みづくりは現在のINGSのマニュアルに取り入れているという。

ラーメン店のプロデュースで後続をバックアップ

近年はラーメン店をプロデュースする事例が増えている。青柳氏は経営者が同世代でラーメン店を大きくチェーン化している会社をリスペクトしており、プロデュース店では同社が手掛ける仕組みに倣っている。プロデュースした店舗からは加盟金、研修費をいただかず、本部としては商材の供給のみで成立させている。

大山どりの丸鶏スープが特徴の直営店「はやし田」

INGSがプロデュースをした店の経営者、従業員にはINGSのラーメン店に入りオペレーションを学ぶ研修があるが、ここでは「接客」「活気のつくり方」「クレンリネス」といった基本となることをしっかりと身に付けてもらっている。

プロデュースの事業はここ1年間で形を整えてきており、これまで6店舗の実績がある。知人のルートでプロデュースを行ってきたが、これまでの実績を踏まえて、これからは事業として推進していく構えだ。

プロデュース店はINGSの「はやし田」をモデルとして、大山どりによる丸鶏スープの店にしている。それは大山どりが安定的に確保できることから、今後多店化していく上で安定的に進めていくことができると考えたからだ。

またプロデュースを依頼してくるところは、飲食業での成長を志すアーリーステージのところで、青柳氏としてもこれらの人々により効率的に営業し成長してほしいと考えている。数ある飲食業の中でも、ラーメン店は居抜きで開業すると投資額が1000万円、1500万円で済ませることが可能となる。アーリーステージの会社には向いている業種だと認識している。

プロデュース店のスープはこれまで各店舗で炊いていたが、スープ工場がパートナーとなり、ここでつくったスープをストレートの冷凍状態で各店に配送するようにしている。このような仕組みが整ったのはつい最近のことだ。

ラーメン店のスープは自分の店で炊くものということが常識とされてきたが、この作業は実は大変なことだ。長時間にわたりスープの鍋にかかりきりとなり、温度管理が難しく、保管場所も課題となる。従業員は少ない人員でランチタイムに合わせて出勤し終電ぎりぎりで帰るということが日常となる。

それがスープを外注品にして、店の中からスープを炊く業務をなくすことによって、従業員は営業している間にオペレーションに集中することが可能となり、商品提供も正確にスピードアップされ、また余裕を持って終業前に帰宅することができる。

「月8休」「賞与年2回」で採用を有利に進める

現状、同社の採用活動は順調である。これは、同社がアーリーステージにあっても新卒採用に力を入れていることや、社員比率を意識的に高めていることが背景にある。
新卒採用については、その重要性を先輩経営者から説かれてきて、3年目の2019年は、12人が入社した。これらの人材は主に「CONA」事業に配属されていて、「CONA」の店舗当たり社員数は3~4人となっている。

希少な金目鯛のアラを使用する「鳳仙花」

一方、ラーメン事業の採用が順調な要因として「月8休」「賞与年2回」が挙げられる。ここではラーメン店を営んでいる人のコミュニティでもあるラーメン専門サイトというサイトが大きく役立っている。ここに求人情報を掲載し、それを閲覧した人が応募してくるパターンが最近増えてきた。昨年はここがきっかけとなり20人を採用することができた。これによって求人費を抑えられている。ラーメン事業の店舗あたり従業員が10人とするとうち8人が社員となっている。

このような状況から、「月8休」の体制が整ってきて、「賞与年2回」も安定するようになった。これらの傾向からラーメン事業の場合、年間4~5店舗のオープンが見えてきている。そして、スープの外注化から始まるラーメン事業の労働環境整備は、事業展開を有利に進めることができることであろう。

今後について、業態を増やさず、現状の「CONA」とラーメン店に集中していく意向だ。先のラーメン事業の出店予測を含めて、全体では年間8~10店舗の出店を予定している。

ちなみにINGSという社名の由来は、現在進行形のINGで「成長していこう!」という皆で盛り上げていく意図が込められ、「S」はその複数形で、われわれ、業者様、お客様、で達成しようという意味だ。同社の現在と未来予測は、社名の由来通りに活動してきたことが軌道に乗っているということを示しているようだ。

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店舗情報

店舗名 CONA
エリア 新宿

運営企業情報

企業名 株式会社INGS
本店所在地 東京都新宿区新宿6-28-8
URL http://ingsinc.co.jp/

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