飲食業に向けた経営サポートを行うG-FACTORY株式会社(本社/東京都新宿区、代表/片平雅之)では、この8月より「飲食塾」を開校する。これは、寿司、日本料理、焼鳥、そば・うどんなど、多様なジャンルの即戦力となる人材を短期間で育成するというもの。教室は同社が入居する新宿センタービルの中に設ける。

 

同社が「飲食塾」を開校する狙いは、世界的に日本食の需要が急増していること、一方国内では料理人が慢性的に人手不足になっていて、これら国内外で活躍する日本食料理人を育成することにある。

教室では授業というよりも「実践の場」で、講師と生徒がより近い距離感で進めていく

同社では「夢をカタチに!和食を世界に!」という企業スローガンを掲げて、2003年5月の会社設立以来、日本食店の経営と、日本食料理店の展開を基軸とした飲食業に向けてさまざまな経営サポートを行っている。

 

まず、ウナギのファストフード「名代 宇奈とと」の展開。こちらはゴーストレスランも手掛けることによってこの6月に国内100店舗を突破した。これらをベースにして同社では出店支援のノウハウを蓄積し同社事業の強みとしてきた。さらに、ミシュランの星付きなど高級店を展開する飲食業をグループ会社に収めて、これらの市場の見識を深めている。海外では、ベトナムで直営飲食店を展開、東南アジアを中心に飲食業の人材育成と経営サポートのノウハウを蓄積している。

 

同社ではさらに、食とエンタメ、地方創生、街づくり、リモート海外進出、地産地消と雇用創出、海外人材育成、という具合に事業領域を開拓し続けている。「飲食塾」の設立は、このような同社の方向性をさらに一つ具体化した試みと言えるだろう。

 

調理人材教育に実績を持つ宇都裕昭氏を校長に招く

「飲食塾」の校長に就任したのは宇都(うと)裕昭氏。宇都氏はこれまで飲食業が求める人材の就職や転職を支援するビジネスを展開する中で、「これらの需要に十分に応えていくために短期間の調理師学校が必要だ」と感じ取り、「飲食人大学」を2014年4月大阪で立ち上げた。

校長を務める宇都裕昭氏は実践に根差した指導をしていて「修業はいらない」ことを主張している

「飲食人大学」の特徴は、飲食業でビジネスを切り拓こうとしている人たちを対象にして、一般的な調理師学校が1年間で教育しているカリキュラムを3カ月に短縮、現場実践に重点を置いた授業を行って技術の習熟を早めるということ。

 

「寿司マイスター専科」を例に挙げるとこのようになっている。

・1カ月目(基礎実習):社会人としての心構えから、包丁の研ぎ方や米の種類と見分け方、握りのフォームなど基礎的な実習指導を繰り返し、魚の構造と味の違いなどネタに使われる魚を比較検証して学ぶ。

・2カ月目(応用実習):魚の選別方法から1尾の魚を寿司や造りなど最後まで仕上げるという調理の応用技術までさまざまな素材で学ぶ。また、市場での仕入れ実習、流通の仕組みなどを学ぶ。

・3カ月目(実践実習):漁港や高級すし店に出向き、プロの仕事を体感学習する。メニュー構成からコース料理の組み方、経営管理から店舗の立ち上げなど、さらに実践的に学ぶ。

「現場実践に重点を置いた授業」とは、一般的な調理師学校の授業で魚を5尾さばくとすると、飲食人大学では10尾さばくこと。このように材料に触れる時間を充実させている。

 

受講する生徒の属性はさまざまで、現状料理人、セカンドキャリアとして飲食店を目指す人。高校を卒業してすぐに入学、サラリーマンを定年退職して入学、海外に住んでいる人が一時帰国して入学等々、実に多様。男女比はほぼ半々。

 

これらの試みは盛況となり、大阪の他に、東京、名古屋に教室を構え、タイのバンコクでもFCで営まれた。

 

また、大阪市福島区に「飲食人大学」の卒業生を雇用した「鮨 千陽(ちはる)」をオープン。同店はオープンから11カ月にして『ミシュランガイド京都・大阪2016』のビブグルマンで掲載されたことも話題を集めた。

 

宇都氏は2020年7月に「飲食人大学」を退任、飲食業の人材紹介支援などを行いながら、新たな学校設立を画策していた。その過程で、2021年12月G-FACTORYから本プロジェクトを聞き、「飲食塾」の校長に就任することになった。宇都氏は「G-FACTORYが掲げる『夢をカタチに!和食を世界に!』に共鳴し、東南アジアで飲食業の支援をリアルに行っている姿勢に感銘を受けた」と語る。

 

「飲食店」を併設し授業の一環でメニューを提供

この8月に開校する「飲食塾」のカリキュラムは、宇都氏がこれまで培ってきたノウハウをさらにブラッシュアップした内容となる。

 

講師陣は実際に店舗を運営・経営した経験のある人物がそろう。「教える→学ぶ」よりも「身に付ける→実践する」を重視している。

 

また、国内外の著名なシェフや経営者、マーケティング、飲料、サービス、テクノロジーなどの専門家が登壇。市場に出向き仲買人から仕入れを学ぶ。特に「寿司職人コース」では“究極の魚仕立て法”として注目されている「津本式」(長期保存に適した技術)の授業も実施する予定。

 

さらに教室の横に飲食店を併設し、授業で学んだ調理技術をランチタイムにメニューとして提供する。メニューの内容は「寿司職人コース」「焼鳥職人コース」「ラーメン職人コース」という具合に、授業で行われている業種のもので構成される。

新宿センタービルの中に教室と実践の場となる店舗を設ける

 

前述した通り、G-FACTORYの事業内容は飲食業の経営サポートを国内外で展開している。「飲食塾」を卒業した人たちの活躍のステージを支える体制を国内外で整えていることから、「夢をカタチに!和食を世界に!」の活動に拍車がかかることになる。

 

 

店舗情報

店舗名 飲食塾
エリア 新宿
URL https://inshokujuku.com/

運営企業情報

企業名 GーFACTORY株式会社
URL https://g-fac.jp/

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